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蕎麦職人の独り言  其の2

人生二毛作 修行そして開店(1)

 修行が始まりました。はじめは、白衣・白帽・前掛けを身につけるのが恥ずかしくて堪りませんでした。直ぐ近くの実家に帰る時や、店の用事で外出をする時にも白衣・白帽・前掛けを取り着替えてから出かけました。やはり、長年背広の生活が続き、変なプライドが身に染み込んでいたのです。いよいよ「そば打ち」です。
 店主は朝6時頃から「そば打ち」をしておりましたので、私も7時頃に店に行き店内の掃除、駐車場の掃除や草取りなどを済ませた後に、店主に「そば打ち」を教えて頂きました。先述しましたが、生まれながらにして「そば」とのつきあいも深く、抵抗なく「そば打ち」には入り込むことが出来ました。しかし、今までに自分で打った「そば」は直径60〜70センチ程度でしたが、これから打つ「そば」は直径120センチと今までの倍です。そう簡単にはいきませんでした。「水回し」が悪く「のし」の途中でぼろぼろになったり、「へそだし」が上手くいかず真ん中に穴があいたり、「のし」でも平均に伸されておらず凹凸ができたり、数え切れないほど失敗がありました。それでも店主は「俺でも始めは同じ様な失敗を何度もしたよ。」と励まして頂き、いつも前向きににやれました。
 そして「そば切り」です。店主は「手ごま」いわゆる「当て木(小間板)」を使わず手で支えながらそばを切っていくやり方でした。私もそのやり方を教えて頂きました。油断をすれば指を切ってしまいますので「緊張」の連続でした。しかし、人間は「なせば成る」ものです。二週間ほどで私の打った「そば」がお客様に食べて頂けるようになったのです。「そば切り」は その日の天候(気温)や、そばを打つその人の感情によって違ってきます。「そば」は生きており、心を込めて打たなければ、それに答えてくれません。
 そして、釜前(そばを茹で上げる作業)も簡単ではありませんでした。この作業はおかみさんが仕切っておりました。気っぷの良いはっきりものを言う方ですが、教え方は適切でした。蕎麦はうどんと違って茹で上がりが速くそのタイミングが非常に難しいのです。昼間は戦場ですので教えて頂くのは夜の営業時でした。信州蕎麦が美味しいのは「水」です。冷たくて濁りもなくこれが秘訣でした。名古屋で同じ条件が整うだろうか。不安が募りました。
開店まであと8ヶ月。
(つづく)

人生二毛作 其の1 一から出直し    
人生二毛作 其の2 修行そして開店(1)
人生二毛作 其の3 修行そして開店(2)
人生二毛作 其の4 開店準備(1)
人生二毛作 其の5 開店準備(2)
人生二毛作 其の6 開店準備(3)
人生二毛作 其の7 いよいよ開店(1)
人生二毛作 其の8 いよいよ開店(2)