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■ もりそばとざるそば
もともと「そば切り」は、汁につけて食べるものだったが、元禄(1688〜1704)の頃から、汁をつけずにそばに汁をかけて食べる「ぶっかけ」がはやるにつれて、それまでの汁につけて食べるそばと区別する必要が出てきた。そこで生まれた呼び名が「もり」である。安永二年(1773)版『俳流器の水』初編に「お二かいハぶっかけニッもり一つ」の句が見えるので、すでにこの時代には一般に使われていたようだ。「蒸籠に盛る蕎麦を盛りといひ、盛蕎麦の下略なり」と『守貞漫稿』にあるが、「高く盛り上げるからもり」ともいわれる。
本来は竹ざるに盛るからこの名がついた。
海苔をかけるのは明治以降の現象で、「ざる」すなわち「海苔かけ」ではない。本来はなにもかけずに、ワサビを添える。また、もり汁よりややコクのある「ざる汁」を用いた。『武江年表』寛政三年(1791)の頃に「深川州崎名物の笊そばは、九月の高波の後絶えたり」とある。深川の笊そばは伊勢屋(伊兵衛)といい、名店として評判が高く、ざるそばの元祖。
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